DAECOM測定原理

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更新日 2008-10-28 | 作成日 2008-07-29

DAECOMの測定原理

DAECOMの開発背景

現在アスベストの計測はフィルターで数時間大気を捕集し、それを顕微鏡で分析するという方法が用いられています。しかし、この方法では結果が判明するまでに数時間から数日かかり、飛散していたとしても結果が出たときにはアスベストが飛散したあとになってしまいます。また数時間の計測結果の平均値しかわからないために、いつ、なぜ飛散したかは分単位で追求することはできませんでした。さらに、粒子濃度が高いところ、粉じんが多いところでは粒子が重なりあってフィルターに付着するために正確に測定値を出すことは極めて難しいのが現実です。

そこで、1991年環境庁国立機関公害防止等研究費を用い、研究統括責任者として廣本宣久(現・静岡大学大学院教授 弊社会長)が郵政省通信総合研究所(現・独立行政法人情報通信研究機構)、東洋大学、エスコム株式会社の3社が共同でこれまでの計測方法の弱点を克服したリアルタイム測定機を開発することになりました。5年間の研究開発の成果を元に製品化したものがDAECOMです。

DAECOMの測定原理

DAECOMは毎分2ℓの流量で空気を装置に取込み、電界を加えた上下2つの電極間を通すことにより、空気中の繊維状粒子が垂直に配向させた状態で流れるようになっています。

その繊維状粒子に、直線偏光した10mWのHe-Ne(ヘリウム・ネオン)レーザー光を照射することにより、特徴的な偏光の変化を生じる散乱光を2つの光電子増倍管で、垂直偏光成分と平行偏光成分とに分けて計測します。

これにより、繊維状粒子と球状粒子の分別測定を行い、同時に散乱光強度から繊維状粒子の大きさを計測します。

DAECOMの測定対象

DAECOMは、長さ5μm以上で、アスペクト比3以上の繊維状粒子をカウントします。JISで規定されています空気中繊維状粒子測定法である位相差顕微鏡法で計測される繊維状粒子を測定するよう設定されています。

空気中には、様々な繊維状粒子が飛んでいます。有機物系繊維状粒子としては、植物、獣毛、パルプや化学繊維。鉱物系繊維状粒子は、アスベスト、その代替繊維であるロックウール、グラスウール等があります。DAECOMは繊維状粒子を形状にて判定するため、アスベストの定性分析を行うことはできません。